【インタビュー】株式会社本家比内地鶏

(株)本家比内地鶏のはじまり

株式会社本家比内地鶏の外観

株式会社本家比内地鶏が比内地鶏の飼育を始めたのは、1982(昭和57)年。
当時はきりたんぽ鍋など、冬鍋用の鶏肉として地元の人たちに食べられていましたが、全国的にはほとんど無名の鶏でした。

その後、比内地鶏を“ブランド化”しようと、旧比内町(現大館市)・地元の農業共同組合・本家比内地鶏が協力し、全国に向けて比内地鶏の美味しさをPRする取り組みが始まります。

20年近くかけた地道な努力が実を結び、2000年頃には東京などの首都圏を中心に比内地鶏専門店の人気が高まり、さらには地鶏ブームも追い風となって、比内地鶏は『日本三大美味鶏』と呼ばれるまでになりました。

現在、本家比内地鶏は鶏肉の加工・販売業者として、30万羽以上を処理できる大規模食鳥処理場を持っており、28軒の生産者さんが飼育した美味しい比内地鶏を全国へお届けしています。

これが『日本三大美味鶏』の比内地鶏

本家比内地鶏の鶏舎

比内地鶏の特徴は、しっかりとした歯応えと、味わうほどに口に広がる濃厚な旨み。
自然豊かな土地でたっぷり運動をして、160日〜180日という長い飼育期間をかけて大切に育てられています。
最近の研究では、比内地鶏の肉には旨み成分が豊富なだけでなく、「カルノシン」「アンセリン」といった疲労回復成分も含まれることが分かりました。

生産者の一人である山本隆仁さんは、5つの鶏舎で比内地鶏を育てる飼育歴約20年のベテランです。
「なるべく広い場所でしっかり運動できるよう、認証基準よりも大きいサイズの鶏舎を設置しました。止まり木をつけるなど、自然に近い環境になるように工夫しています」
オススメの食べ方について、「焼き鳥は本当に絶品です!比内地鶏の旨みたっぷりの肉の味を、ダイレクトに感じていただきたい」と山本さんは語ります。

こだわりのポイントを紹介

本家比内地鶏の加工場で働く従業員

本家比内地鶏では、比内地鶏の生肉セットや串焼き商品、ミンチボール、ウインナー、ガラスープなどを加工・販売しています。
特に生肉セットは、朝に入ってきた鶏をその日のうちに処理して加工しているため、新鮮そのもの。朝絞めならではの弾力を味わうことができます。

また、処理場には県の食鳥検査員が常駐して厳正なチェックを行い、安心・安全な鶏肉を出荷しています。

株式会社 本家比内地鶏 取締役専務・阿部健二さん

取締役専務の阿部健二さんは、
「私たちは処理・加工面で努力をしていますが、 “美味しい鶏肉を作る”という部分は、飼育する生産者さん一人一人にかかっています。各生産者さんとしっかりコミュニケーションを取って、二人三脚で品質の良い美味しい鶏肉をお届けしています」
と、”比内地鶏ブランド”にかける想いを語ります。

比内地鶏はこちらでお召し上がりください

本家比内地鶏の鶏肉は、比内地鶏専門店『本家あべや』で味わうことができます。
丸鶏の状態で出荷した新鮮な鶏肉を、お店でさばいて提供します。

焼き鳥や親子丼のほか、県外ではなかなか食べる機会のないきりたんぽ鍋など、自然豊かな秋田で育った比内地鶏の最高の味を、プロの料理人が引き出します。
『日本三大美味鶏』のコクと香り、そして濃厚な旨みをぜひご賞味ください。

私たちの想い

鶏魂碑

比内地鶏が『日本三大美味鶏』として有名になると同時に、県外への出荷数が増え、現在では県外出荷が6割、県内出荷が4割と、消費が逆転している状態。

「全国に比内地鶏のファンがいるのはとても嬉しいことですが、地元の人たちにも普段からもっと比内地鶏を食べてほしい。地元に愛される鶏を目指したい!」
阿部さんはそのように語ります。

最近では秋田県が主催となって、比内地鶏の幅広いレシピをPRする取り組みが行われています。
比内地鶏といえば“鍋”という従来のイメージを一新し、スープやサラダ、煮込み料理など様々なのレシピを考案して『比内地鶏のおうちごはん。』として紹介しています。

「今後は、レシピや商品開発に取り組みながら県や各地域とコラボして、地元に向けた情報発信にも力を入れていきたい」と、阿部さんは熱意を燃やしています。

新型コロナウイルス感染拡大による影響

2020年の年明けから、徐々に都内での消費が減り始め、3月に非常事態宣言が出されてからは、県外への出荷がほとんどない状態です。

比内地鶏は160日という長い飼育日数をかけて生産しているため、消費が落ち込んだからといって、すぐに生産数を減らすことはできません。
「育ちあがった比内地鶏を無駄にしないよう、少しでも多くの人に食べてもらいたい」という思いで、加工商品の販売に力を入れています。
4月に非常事態宣言が全国に拡大され、今後の生産数を4割削減する方針が決定しました。

阿部さんは「今は一旦生産数が落ちても、ここを踏ん張って、また復活させていきたい」と、“比内地鶏ブランド”を絶やすことのないよう努力し続けています。

返礼品の紹介

比内地鶏1羽ケース(冷蔵)

モツ・ガラ付きの「1羽ケース(冷蔵)」は、1羽分の比内地鶏を丸ごと楽しめる贅沢な一品。
部位ごとのおすすめの食べ方をご紹介します。

【モモ肉】
程よく脂が乗ったモモ肉は、大きめに切ってシンプルに塩焼きにすると、噛むごとに濃厚な旨みが口の中に広がります。

【ムネ肉】
モモ肉と比べると淡白なムネ肉ですが、比内地鶏ならではのしっかりとした味わいがあります。野菜などと一緒に蒸して食べると、旨みがジュワッと染み出します。

【レバー、砂肝】
筋肉質な比内地鶏の砂肝は、歯応えのある食感が魅力。レバーも砂肝も臭みがなく食べやすいので、焼いたり、煮込んだり、お好みの食べ方でお愉しみください。

【ガラ】
比内地鶏の最高の出汁を取ることができ、鍋、ラーメン、スープなど様々な料理に使うことができます。作ったガラスープを小分けにして冷凍しておくと、使いたいときに手軽に使えて便利です。

また、各種串焼き商品は、肉を大きめにカットしているのが特徴。
噛むほどに旨みが増す比内地鶏を存分に堪能することができます。

比内地鶏を使った料理

株式会社本家比内地鶏

〒018-5851 秋田県大館市比内町大葛字芦内口道下69

TEL:0186-57-2002 FAX:0186-57-2055